先日のAppleの値上げ、ショックが大きかった人も多いのではないでしょうか?急激な円安が原因とはいえ、大幅な値上げが実行され、今年の秋に出るモデルの価格を予想すると、「買い替えるぜ!」という気力も失せるというもの。9月にも新型iPhoneの発表を控えてはいますが、今使っているモデルを長持ちさせて、価格が落ち着くのを待つというのも良いかもしれません。
そして長持ちさせることを考えると、一番劣化するものを長持ちさせれば良いのです。スマホで一番劣化するパーツといえば、バッテリー。使えば使うほど劣化してしまいますが、これを長持ちさせればバッテリー持ちの悪さに起因する買い替えやバッテリー交換での出費を少しでも遅らせることができます。
今回は私が調べて実践している方法と、リアルな現状をお見せして紹介したいと思います。
リチウムイオンバッテリーの特性
まずはリチウムイオン電池の特性を理解しておきましょう。
Appleの公式HPに詳細な説明があります。Apple公式HP>iPhone のバッテリーとパフォーマンス
内容を要約すると
・バッテリーは充放電できる回数は限られている。
・iPhoneは500回の充電サイクルを繰り返した後も当初の容量の80%を維持できるように設計されている。
・電源につなぐ回数=充電回数ではなく、充電サイクル1回とはバッテリー容量を100%使い切ることでカウントされる。
例:バッテリー容量75%を1日で消費したところで充電し、翌日に25%使用したら、そこで充電サイクルの1サイクルを完了したことになる。
バッテリーの寿命を延ばすには
・使用する周囲の温度に気をつける。
・保管温度は-20〜45度
・動作時は0〜35度
・長期保管する時は、50%充電してからにする。
0%や100%にして保管するとバッテリーの劣化が早まる原因になる。
100%充電するのはバッテリー寿命を縮めることになる
リチウムイオン電池の特性として、満充電状態だと、バッテリー内部の高電圧が維持され化学変化が促進されることで、結果として寿命を縮めてしまうことにつながる。
0%まで使い切ることもバッテリー寿命を縮めることにつながる
完全放電した状態にすると、それ以上の放電を防ぐためにバッテリーの保護回路が働き充電できなくなることもあります。
バッテリーは20〜80%の間でバッテリー残量を維持するように継ぎ足し充電がベスト。
メモリー効果について
メモリー効果とは?
バッテリー容量を使い切ってから充電しないと、充電を始めた時点の容量を記憶してしまい、満充電を行なっても記憶した時点の容量で電圧が下がり使えなくなってしまう現象のことです。昔のニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池ではメモリー効果があるため「使い切ってから充電する」というのが正しい使い方でした。
この使い方はリチウムイオン電池には全く当てはまりません。
リチウムイオンバッテリーにはメモリー効果はありません。
そのため、使い切ってから充電する必要はありません。むしろ上記で書いたように、0%の状態にすること自体にリスクがありますので絶対にやめてください。
毎回0%近くまで使い切ってから充電することはバッテリーを痛める行為だということを知っておきましょう。
iPhoneのバッテリー管理機能について
iPhoneに搭載されているバッテリー管理機能や、少し面倒ですがバッテリーの充電サイクル回数を確認する方法を見ていきましょう。
バッテリーの最大容量や充電サイクルの確認方法
iPhone「の設定」アプリから
バッテリー>バッテリーの状態 と進むと「最大容量」という項目があり、ここに現在の最大容量が新品のバッテリーと比較して%表示されています。
しかし、充電サイクルがどのくらいかは表示されていません。かなり前には充電サイクルカウントを表示してくれる充電管理アプリもあったのですが、今はないようです。
でも確認方法はあります。
充電サイクルの確認方法
①設定>プライバシー>解析および改善>解析データ と進むと各種ログデータが格納されています。
②この中から「log-aggregated 2022-07-31」(数字の部分は日付、いくつかあるので最新の日付のものを見てください)を探して開きます。
③ログデータが山ほど出てきますのでこの中から
「com.apple.ioreport.BatteryCycleCount」
と書かれている文字列を探します。Macをお持ちの方はAirDropでMacに渡してファイルを開き、文字列を検索すると早いです。
するとすぐ下の行に
「418」などと数字が記載されています。この数字「418」が現在の充電サイクル数となります。
調べるのは手間ですが、確認しておくと良いでしょう。
「バッテリー充電の最適化」機能について
設定>バッテリー>バッテリーの状態 と進むと「バッテリー充電の最適化」という項目があり「バッテリーの劣化を軽減するため、このiPhoneが日ごろどのように充電されているかを学習し、次にこのiPhoneをバッテリーで使い始める直線まで80%を超える充電を保留することがあります。」と説明があります。
「バッテリー充電の最適化」機能をONで使うと、普段iPhoneを使い始める時間に残量が100%になるようにACアダプタに繋ぎっぱなしでもコントロールしてくれるという機能です。
この機能がなく何も考えない場合、夜寝る前に充電器に接続すると、フル充電までの充電時間は残量が20%ぐらいでも2時間程度ですから、睡眠時間が7時間としても5時間ぐらいは100%を維持しづつけることになります。しかし「バッテリー充電の最適化」機能を使うと、充電器に接続後80%までは充電され、そこで充電は停止し起床する時間(=ユーザーが朝イチにiPhoneを何かしら動作させる時間)に100%になるように逆算して充電を再開するという機能です。
「バッテリー充電の最適化」の効果は?
私はiPhoneSE第2世代を2020年7月に購入し使用しています。iPhoneはデフォルトで「バッテリー充電の最適化」がONになっていますので、私は特に気を使うことなく使用してきました。充電は主に就寝前でそれ以外は、必要に応じて継ぎ足し充電をするぐらいです。
そして購入から1年半ほど経過したある日、「バッテリーの状態」から「最大容量」を確認すると84%になっていました。あと4%で80%になるのか、少しバッテリーの持ちが悪く感じるようになってきたのは確実に劣化が進んでいるからだなと実感しました。
大体2年ごとの買い替えを見込んでいると考えると妥当な数字かとは思ったのですが、最近の機種の価格高騰と必要な機能のバランスを考えると、個人的にはもう少し持たせたい、せめて3年ぐらいは快適に使いたいと思いました。ということはこのまま「バッテリーの最適化」機能に頼っていても、バッテリーの更なる劣化に待ったをかけることは難しいと判断し、いろいろ調べてみました。
バッテリーの劣化を抑える充電方法
リチウムイオンバッテリーの劣化を抑えるため、次のことを実践しました。
・バッテリー残量が20%になったら充電する。
・バッテリー残量が80%になったら充電をやめる。
自動でこれをやってくれるアプリがあれば良いのですが、残念ながら存在しません。完全に手動となります。
とはいえ神経質になることはなく要はバッテリーを0%まで使い切らないこと、100%まで充電しないことを意識すれば大丈夫です。
これらの方法を実践した結果、そこからさらに半年経過した今年7月末現在、ちょうど購入して2年経過した時点で、半年前の最大容量「84%」を維持できています。
[リアル]2年使ったIPhone SE第2世代の現在のバッテリー最大容量
値上げラッシュの世の中ですが少しの気遣いでお気に入りのスマホを長く使うことができれば家計も助かるというもの、知識としてみなさんのお役に立てればうれしいです。
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