私の家電量販店生活(1998-2003)②

私の家電量販店生活5年間

では入社するまでの内定者アルバイトまでを書きました。いよいよ入社後、新入社員時代のことを書いていきます。
私の家電量販店生活5年間(1998-2003)①

入社

4月になり晴れて入社となりました。同期入社が100名ほどということでまあいろんな人がいましたがそれなりに希望をもって社会人生活をスタートさせました。
配属先は同じ県内ではありますが家からそこそこ遠いところになりました。当時の私はすでに車も所有していたので車通勤をすることに。
同じ店には同期入社の人が私を含めて3名いました。ライバルでもありますがその前に仲間です。幸い仲良くできそうなメンバーだったので不安は感じませんでした。
店の人もほとんどの人は優しく困った時は助けてくれました。しかし、ここから社会、会社の洗礼をうけることになるとは、このときはまだ思ってもみませんでした。

配属

私が店で配属された売り場は、家電製品でなく時計やブランドバッグなどのいわば雑貨の売り場でした。会社の戦略として集客のためにこういったものを品揃えし幅広い客層を店に呼び込もうというものでした。
実は内定者アルバイトの時もこの売り場だったので、その経験を活かせるからまずはココという判断だったのでしょう。バイトで行った店とは違うものの家電と触れ合いたい私は軽くショックを受けていました。しかし、仕事をしていくと、ブランド時計やバッグは中途半端な知識や適当な接客は許されません。それに興味がないと辛いだけです。幸いなこと日々商品たちに接していくうちに、私自身がその魅力にハマり楽しく仕事ができるようになっていったのでした。

まさに肉体労働

そんな日々でしたが、家電量販店といったらこれ!というものが3つあります。それは
・頻繁な陳列変更
・在庫の大量入荷
・長時間立ちっぱなしの労働環境
です。

頻繁な陳列変更

家電量販店では季節商品の売れ行きが売上の良し悪しを決めると言っても過言ではありません。
そのため、季節ごとに大幅な陳列変更が行われます。
私のいた会社では店長が権限を持って仕切っていました。陳列変更は開店してるとできませんから当然閉店後となります。
当時シフト制はあってもないようなものだったので、当然オープン前から出社しているわけです。そして通常業務をこなしてからやっと陳列変更の作業にみんなでかかるわけです。この時は担当は関係なく、全員で作業を行います。
夏前ならエアコン
冬なら暖房器具
年末にはテレビ
といったところでしょうか。これらの売り場のテコ入れをすべく、陳列を主力商品が目立つように変更します。
重い什器や商品を運んだり、箱済み商品を積んだりと結構な重労働です。

在庫の大量入荷

TVやエアコン、冷蔵庫、洗濯機などは配送商品のため、店に在庫はありません。(持ち帰り可能商品は除く)
しかしその他の細々とした商品は全て店にある程度の在庫を抱えます。
また私のいた会社では雑貨や日用品も扱っていたため、週に2.3日程度、大量入荷の日がありました。バックヤードの専任担当がいなかったため入荷があれば空いている人が荷受けをして、倉庫に入れなければなりません。新入社員はこの倉庫整理も担当させられました。

長時間立ちっぱなしの労働環境

これは接客業である以上仕方のないことであり、現在でも同じことですが、当時は若かったのでなんとか耐えることができましたがそれでも帰宅後はヘトヘトになっていました。足には異常なほどの負担がかかっていました。それでも次の日には回復しているところが若かった。
今はデスクワークですので逆に運動不足が気になります。

パワハラ社員の台頭

入社してしばらくすると、それまで何も言わなかった先輩社員がどんどん厳しいことを言ってくるようになりました。細かい注意などは自分のために言ってくれていると思って聞き入れられましたが、質問にまともに答えない、重労働である倉庫整理を押し付ける、挙句のはてに別に何も言っていないのに「いらんかったら帰れ」と言うなど、今ならパワハラだなんだと面倒なことになっていただろう言動のオンパレード。
それでも優しい社員や同期メンバーがいたので、病む様なことはなく精神的に追い込まれる様なこともなく過ごしていけたのは幸せなことでした。

残業代が出ない

社員にはあってないようなシフト制。一度シフト通りに来た同期社員のY君が先輩社員に嫌味を言い続けられているのをみて私はシフトで遅番であっても朝イチから出勤する様になりました。こんなこと、今行われていれば即刻訴えられますよね。
そして一応シフト制なので残業代は0円でした。遅番なのに早く来て定時で退社できればまだ良いですが、早番で朝イチから来ても定時で上がれない、そんな雰囲気もありまた人的リソースが足りていない側面もあったので退社できない日々が続いたにも関わらず、残業代は出ませんでした。
これも今なら大問題になっていますよね。しかし当時は、労働基準監督署に行くとかいう気持ちも考えも持ち合わせていませんでした。まあ仕事がそれなりに楽しかったということもあります。でもこれはいけないことですよね。

新店への異動

私が入社した頃はまだ、新店出店ラッシュが続いていました。私が住んでいる県内にも私が入社した頃は5店舗ありましたが新しく店を作る計画があり、それに巻き込まれていくことになるとは思いもしませんでした。
入社して半年が経った頃、新店への移動を言い渡されました。今の店よりも大型の店舗面積となり、担当もTVやビデオなどの黒物家電をさせてもらえるということでした。これには嬉しさしかありませんでした。当時の私は何も考えず喜んでいました。

新店オープン準備

新店への異動が決まり、早速準備からやることになりました。次の店も県内で、家からは今までの店より少し近くなるので特に不満はありませんでした。ただ今までのお店は入社以来お世話になった人たちがたくさんおり、半年とはいえ思い出もたくさん作れたのでそこから離れる寂しさはありました。
そして、新しい店の準備のための打ち合わせや準備に向けての作業などに入っていきました。といってもまだ1年目のひよっこに何か重要なことを任せてもらえるかといえばそうではなく、主には雑用、陳列作業などが待っていました。
オープン前なので当然接客はありませんが、朝から夜遅くまでそれこそくたくたになるまで作業に追われていました。
残業時間もすごいことになっていました。しかしこの残業代についてはきっちりと支払われました。なぜかはわかりませんが(当たり前のことなんですけど)、同期メンバーで給料明細を見てみんなで喜んだのを覚えています。

新しい出会い

新しいお店には自分一人で移動になったので、同じ会社の人とはいえ、どんな人たちと今後仕事をすることになるのかは不安材料の一つでした。当時は「辞令」はあったものの、どこの誰がどこに行くとか、誰がどんな役職につくなどの発表は会社として見れるものはなかった(あったのかもしれませんが少なくとも私のような平社員が見られるものはありませんでいた)ので、集まってみてはじめてどんな人がいるのかを知ったのでした。
中には同期入社のメンバーがそれこそ10人近くおり、新入社員研修で会って以来の人もおり、彼らと働くことになるのが本当に楽しみでした。
その中には今でも付き合いのある友人もいて、当時のことは会うたびに話題になります。一緒に働くことはとうの昔に終わっているのにこうして付き合いがあることはうれしいことです。濃い時間を一緒に過ごせたことは本当に良い思い出です

新店オープン

自分にとって初めてづくしの新店オープン。
オープンでは
なんといっても集客目的のため、目玉商品として赤字覚悟の商品が各売り場から出ています。
これらは当然新聞折込チラシにも掲載されますので、これを手に入れようと多くの人が押しかけます。
これに対応するために整理券の発行が行われるのですが、これの対応も交代で行わなければなりません。
並んでいる人に希望商品を聞いて整理券を配布します。

そしてオープンの時間を迎える頃には、担当の売り場でスタンバイ。多くのお客様が押し寄せます。私の担当のTVやビデオデッキの売り場にもたくさんのお客様が来てたいへんな賑わいを見せていました。
前の店よりも大きな店舗だったので、販売員もたくさんいたのですが、なかなか捌ききれないほどのお客様で、てんやわんやです。
それでもみんな真面目に接客し、確実に売上を上げていきました。
大きなクレームもなく、オープンセール期間は過ぎていきました。

ブログ的には、ハプニングがあれば良いのですが、今は思い出せないので、何か思い出せば更新していきます。

現在は家電量販店の新規出店がそれほど活発ではない状況だと思います。そのためこのような場面に出会うことがないですね。
家電量販店がネット通販にこれほど食われて苦境を迎えているのを見るのは少々悲しいですが、がんばってほしいです。

次回は、普段の業務について書いてみたいと思います。

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